ブログ
ブログを通して、絵本美術館での活動をご紹介します。
「子ねこのチュッパが、とりをねらわないわけ」
2018-05-15
チャルーシンの、今から35年くらい前にロシア絵本専門の出版社から出された絵本です。
この墨絵みたいな絵は、日本人なら誰もが心惹かれるはず。
こねこのチュッパのあまりの愛らしさに、もはや内容なんてどうでもいいとさえ思わせてしまう絵本です。(苦笑)
絵本美術館には猫の絵本が1000冊くらいあるのですが、「一番好きな絵本は?」と聞かれたら、3回に1回くらいは、この絵本を手にニンマリしてしまうかも知れません。
もちろん遠い昔に絶版ですが、たしか15年前くらいに出版社に残っているチュッパちゃんを全部引き取った記憶があります。
それくらい、入れ込んだ絵本です。
子ねこのチュッパが、とりをねらわないわけ?…ああ、忘れてしまいました。
幻の絵本「だだっこカロリーヌ」
2018-05-14
この絵本がいかに幻の…かと言うと、本国デンマークでも、稀、稀、稀な貴重本なのです。
故・堀内誠一氏の「世界の絵本110人のイラストレーター」…これは私のバイブルとも言える名著ですが、そこでとりあげられた絵本作家の中で唯一日本で紹介されていないのが、このスサンヌ・ラッセンです。
ひょんなことでこの絵本がうちにやってきたのですが、さすがに凄い絵本でした。
イラストは、モノクロとパステルが交互になっていて、まさにツボにはまりっぱなし。
ル・メールっぽいけど、ちょっぴりちがう…
こんなに素晴らしい絵本がなぜ欧米で出版されず、本国デンマークでも絶版なのか!
このような絵本に出会うと、まるでルビーでも掘り出したような気分になりますね。
1929年初版本です。
マッド・アリス
2018-05-14
エントランスのインフォメーションデスクには、いつも楽しい絵本の世界がお客さまを出迎えています。
たとえば、これ、「不思議の国のアリス」のオマージュとしてのマッド・アリス!!!
「あ、アリスだぁー!」と笑顔で駆け寄った子どもが思わず沈黙する、あ・ぶ・な・いアリスちゃんです。
手にはなぜかハサミを持っていますね…。
でも、意外にお母様方には好評で、待ち受けにする方もちらほら。
インスピレーションを掻き立てられる展示をこころがけています。(あそびすぎ!!)
ウォルター・クレインの「三びきのくま」
2018-05-14
ウォルター・クレインは、ヴィクトリア時代の子どもの本の挿絵において外せない作家です。
この本は、1870年代にラウトリッジ社からエドマンド・エヴァンズと組んで30冊近く刊行したトイ・ブックから選んだものを、大型サイズで新たに製版し直し、世紀末頃にジョン・レーン社から刊行されたものの一冊です。
もともとクレインは、浮世絵に傾倒していて、1874年の「かえるの王子さま」からはじまるトイシリーズは、画面構成や大胆な平塗りなど、その影響がつよく見られます。
そのトイ・ブックは3色でしたが、世紀末に大型絵本として再版されたこのシリーズは、6、7色と多色木版刷りで豪華。
同じ世紀末に出されたレズリー・ブルックの「三びきのくま」と比べても、かなり装飾的です。
ところで、絵本美術館のエントランスには、近代絵本の祖として、コールデコット、ウォルター・クレイン、ケイト・グリーナウェイの3人の棚があるのですが、彼らは偶然にも皆一年以内に生まれています。
もちろん私はコールデコットが好みなのですが、この装飾的なクレインものがやたらと手に入る…
それだけ彼が当時の子どもの本の流行作家と言うことなのでしょうか。
19世紀は、子どもを「小さな大人」として扱いがちだったと言われますが、クレインの絵本はまさにそんな感じです。
ドツボにはまっていて、古臭い。
浮世絵みたいには斬新にいかなかったみたいですね。
「窓の下で」
2018-05-14
グリーナウェイの絵本の処女作にあたる「窓の外で」。
ヴィクトリア朝の子どものための美しい絵本の典型です。
初版は、1878年。
二万部刷られてすぐ売り切れ、さらに十万部増刷されたそうですが、これは貴重な初版初刷です。
この時代、最初に彼女の絵本を買った人ってどんな人物だったのでしょう?